より安心することの出来る石材店を選ぶメリットブログ:20 3 16
わたしは娘の頃、音痴と言われ、
歌の恐怖症になった。
「蛍の光」「仰げば尊し」「君が代」に至るまで、
わたしは歌ったことがない。
みんなの歌声に合わせて、くちをパクパクさせるだけだ。
コンプレックスはとうに通り過ぎ、
わたしは歌うこと自体が恐ろしかった。
そんなわたしに小学生の孫女の子が言う。
「わたし、おばあちゃんの歌、聞いた事がない」
胸がドキリとした。
わたしは話を逸らそうとしたが、そうはいかない。
「あばあちゃん、何か歌って」と何度もせがむ。
どうしても、わたしの歌を聞きたいらしい。
旦那も女の子も、わたしが絶対に歌わないことを知っている。
だが孫のためなら何でもするわたし…
固唾を呑んで、成行きを見守っている。
…歌ってあげたいが歌えない。
切ない思いで「今日はごめんね、練習しておくから」と逃げた。
「ホントに練習しといてね」
孫女の子はくちをへの字にして、がっかりしていた。
わたしは、
これまでカラオケに誘われても行ったことがない。
ところが、
ある飲み会の後、強引に連れて行かれた。
くちにマイクを押し当てられるものの、声が出ない。
ただ、ひたすら聞くだけだ。面白く無い…
やっぱり来なければ良かった。
その時、ふと思った。
ここに居る、あの人も、この人も、
大して上手いとは思えないが平気で歌っている。
あの天真爛漫さ、勇気は何処から湧いて来るのだろうか。
羨ましい…わたしもあんな風に歌ってみたい。
わたしは本当に音痴なのだろうか。
娘の頃、どんな歌を歌って音痴と言われたのかは記憶にない…
ただ「音痴」と言われた言葉だけが、脳裏に焼き付いている。